私が、一番好きは映画は「西部戦線異状なし」です。
この映画は1970年代後半あたりに、NHKのテレビ番組で放送されていたのを覚えています。
第一次大戦中のドイツ軍の兵士の物語です。
この映画、覚えている方、結構多いのではないですか?
フランス戦線でのドイツ軍とフランス軍の塹壕戦の模様や、同じ学校での仲間たちが戦場で次々と戦死している有様が、生生しく描かれています。
戦争の現実が、よく表現されていると思います。
これから戦場に赴く学生たちが、前線から列車で帰ってくる負傷兵の姿を見て絶句するシーン。
戦闘で片足を失った仲間を、見舞いに来た主人公が
「何か欲しいものはあるか?」
と聞いたとき、帰ってきた返事が
「拳銃が欲しい」
というシーン。
休暇をもらい地元に帰ってきた、主人公が戦死した友人の家族を訪れた際に母親が
「どうしてあなたたけ帰ってきたの?」
「どうして息子を守ってくれなかったの?」
と言って泣き崩れるシーン。
とてもこれが映画だとは思えません。
実際の戦争でも、これと同じような光景が、あちこちで見られていたんだろうと思います。
映画自体は作り物ですが、これは実際にあった戦争の模様を描いているのです。
最後のシーンは、本当に衝撃的でした。
塹壕の中で小鳥を見つけた主人公が紙を、取り出してスケッチをしようをして頭を上げたところを敵に銃撃され倒れるシーン。これは未だに、鮮明に目に焼き付いています。
他の映画にあるような感動のクライマックスはなく、非情な現実を伝えています。
是非もう一度、現代版で、この映画を制作してほしいと思います。